【第4話】契約直前での方向転換|予算オーバーで見えてきた本当の選択肢

家づくり記録

2024年の秋、僕たちの家づくりはようやく動き出しました。

9月13日、建築会社にあいさつをして、これからの流れを打ち合わせ。

この会社は、実は叔父が勤めている建設会社で、身内が勤めているという安心感もあり、他の会社に見積もりを取ることすら考えませんでした。今思えば、ここが大きな分かれ道でした。

その後は、ボーリング調査や地盤調査、構造計算、間取りの調整…と、順調に進んでいきました。

11月にはコンセントや造作家具、照明の打ち合わせもして、12月にはTOTOでキッチンやお風呂などの設備を選び、分筆登記も完了。

12月末にはついに本図面が完成し、「よし、いよいよ!」という高揚感に包まれていました。

そして年が明けて2025年1月6日。

本見積もりを依頼し、「あとは予算内で収まっていれば…」と、期待とちょっとした不安が入り混じっていました。

ところが、返ってきた見積もりを見た瞬間、目を疑いました。

600万円オーバー。

「え? 嘘でしょ…」

正直、言葉が出ませんでした。

何度も予算の話はしてきました。

「本当に大丈夫ですか? 無理なら早めに教えてくださいね」って、何度も何度も確認したんです。

でも返ってくるのは、「ギリギリでいけると思います、大丈夫です、任せてください」という言葉ばかり。

信じて、任せてきたのに――結果は600万の大幅オーバー。

本当にショックでした。

「じゃあ今までの打ち合わせって、なんだったんだろう」

「もう図面もできてるのに、今さら無理って…」

悔しさとやるせなさで、しばらく頭が真っ白でした。

でも、僕たちにも反省すべきところがありました。

相見積もりをしてなかったこと。

叔父の会社ということで、遠慮して本音を言いづらかったこと。

本当は途中で少しでも不安を感じた時に、立ち止まって確認するべきだったんですよね。

だから、ここで立ち止まる決断をしました。

設計士さんと相談し、初めて相見積もりを取ることに。

紹介してもらった業者1社と、自分で探した1社。

まったく同じ条件で、正直に見積もりを出してもらいました。

結果、設計士さんが紹介してくれた会社が、予算内でできるということで、その会社と契約することにしました。

見積もりだけで1カ月近くかかりましたが、まだ本契約をしていなかったのが救いでした。

「最初から相見積もり、取っておけばよかったな」

「気を使いすぎずに、もっと自分たちの希望を伝えればよかった」

家づくりって、思ってた以上に気持ちの部分が大きくて、簡単には割り切れないことばかりです。

【余談ですが…今だから思うこと】

実はこの話には、少しだけ裏側があります。

家づくりの初期段階で、実は今お願いしている建築会社にも、設計士さんを通して概算見積もりを出してもらっていたそうなんです。

その時点で、すでに予算内で建てられる見通しが立っていたと、後から聞きました。

その話は、叔父が勤めている建設会社にも共有されていて、僕たちも知っていました。

でもその時は、やっぱり身内ということもあり、叔父からの後押しもあって「せっかくなら身近な人のいる会社でお願いしよう」と考え、叔父の会社を選ぶことにしたんです。

その選択が間違っていたとは思っていません。

ただ、「きっと大丈夫だろう」と思い込んでしまっていた部分があったのは確かです。

「予算の話は何度もしてるし、無理なら早めに言ってくれるはず」――そう信じて、安心しきっていた自分がいました。

結果的に、見積もりが大きく予算を超えてしまい、悩んだ末に建築会社を変更することになりましたが、これは僕たちにとって大きな学びの機会でもありました。

今になって思うのは、

家づくりは「誰かのために選ぶもの」ではなく、「自分たちが納得できる選択を重ねていくもの」だということ。

あのときの経験があったからこそ、今こうしてしっかり前を向いて進めている気がします。

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